前回の続きです。


値下げにも関わらず反応が無く、担当営業マンにも見放された不憫な物件君。
売却活動はすっかり停滞してしまいました。


「このままではマズイ」


流石に危機感を感じた私は、別の方法を考えることにしました。

そもそも、これまで物件情報は「F企画会員内部へのクローズ案件」として流されているだけです。
会員数は知りませんが、購入対象者は非常に限られているでしょう。
情報を完全オープンにすれば、まだまだ物件購入希望者はいるはずです。


もう一つは、物件エリアと業者さんの相性問題。

今回の物件は、埼玉県入間郡です。
購入時に融資を使おうとすれば、対象は武蔵野銀行や埼玉縣信用金庫といった、地元の金融機関になるはずです。
そのエリアに強い仲介業者さんであれば、当然地元金融機関とのパイプもあるでしょう。
「ご紹介」による融資効果は絶大であり外せない要件です。

そして、該当エリアに強い業者さんであれば、抱える顧客の多くも地元の方でしょう。
地元の物件に対しての方が購入意欲は高まるはずですし、融資についても顧客個人の持つ独自のパイプを生かしやすいでしょう。

購入希望者、購入可能者(融資が通る人)共に増えるはずです。


というわけで、埼玉県入間郡周辺に強そうな仲介業者さんに変更することにしました。

そして次にお願いしたのが3L(仮名)さん。
北関東に強く、埼玉県もまぁまぁ強い有名業者さんです。


売買価格はそれまでの1000万円から再び上げて1100万円。

幸か不幸か前回はクローズ案件だったのでこの時点ではまだレインズ未登録。
そもそも、契約後5日以内にレインズに掲載しないのは如何なものかと思いますが・・・。
とりあえず世の中に物件価格が知られていないので、もう一度売却価格を上げてみました。

契約形態については、最初2か月が専属専任媒介。
決まらなければその後は一般媒介とし、期限を切って売却活動を行って頂く事にしました。


これも前回の反省点です。

当たり前ですが、最初は業者さんも力を入れてくれます。
ただ、売れなければすぐに音沙汰がなくなります。

他にも売るべき物件は沢山ありますから、見込みがなければ切り捨てられます。
ならば、こちらも業者さんに対して期限を切って、お互いに見切りを付けましょうという話です。


そして、物件売却活動2回戦がスタートしました。

会員向けにメルマガで情報が配信され、程なくして数件の反響がありました。
残念ながら満額買付は無く、指値された950万円が一件とその他ふざけた指値が数件。
一番マシだった指値案を一旦受け入れ融資審査に進んで頂いたものの、再びブレイク。
ちなみにこの方も公庫だったようです。

やっぱり融資が相当厳しい物件らしい・・・。


その後も業者さんは頑張ってくれましたが、鳴かず飛ばずで時間だけが過ぎていきます。


「このまま一生売れないのではないだろうか?」

じわじわとした恐怖感が襲ってきます。

この時物件は満室。
売却には絶好の状態でしたが、いつ空室が出るかわかりません。
一旦空室が出ると半年~1年空く事もあるので、すぐにリカバリーはできません。
しかも駐車場は借り土地なので、地主から契約解除を突如言われてしまう危険性もゼロではありません。
駐車場がなくなったらこの物件は終わりです。


人間は弱いもので、状況が悪くなるとリスクばかりに目が向き、どんどん弱気になってしまいます。


「そもそも買値は680万円、700万円で売っても損はないじゃないか」

ふと、ふざけた指値を飲んでしまおうかという誘惑にもかられました。
まさに売主が弱っている状態ですね。


・物件を安く買いたければ、指値しながら数を当たれ
・弱った売主物件に当たれば安く買える
・特にローンブレイク後の売主は弱ってる


私がセミナーを行った時、偉そうにこんな事を話していました。
これは真実であり、儲けるためには有効な戦略です。
でも、まさか自分が弱った売主側になるなんて・・・。

因果なものですね。


さて、どうしようか?
売却活動は完全に闇の中。

ここでようやく私は、諸先輩方に売却に関する助言を求めました。


・売却は一般媒介でとにかく間口を広げろ
・安い物件ならなおさらだ
・埼玉と言えばあの業者でしょ!!


やはり困ったときは経験者のご意見ですね。
一人で考えTry&Errorを行う事は重要ですが、信頼できる方に意見を求める事はもっと重要なのかもしれません。

結果としてこれらのご意見がきっかけとなり、一気に事態は好転していったのでした。


次回に続きます。


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