お付き合いのある金融機関から、投資信託の積み立てを勧められる機会があると思います。
今後のお付き合いもあるわけで、そこは大人として協力することもあります。
私も5年半ほど前、ある投資信託の積み立てを勧められました。
具体的な商品名は控えますが、カテゴリーとしては「米国リート」
しかも毎月分配型。
購入手数料3.3%、信託報酬1.683%と手数料もお高め。
はっきり言って、自分じゃ絶対選ばない投資信託です。
投資信託自体は、使い方によっては非常に優れたツールになると考えています。
手数料を抑えつつ多くの銘柄に投資できることはメリットが多く、個人でまねする事はほぼ不可能です。
特に、「外国株インデックス」の投資信託を買うという行為は、世界の発展を享受するといっても過言ではないでしょう。
私自身、15年以上前から積み立てを続けております。
ただ、あくまでも長期での積み立てが基本。
資本主義を信じるなら、経済は右肩上がりのはずです。
世界株のインデックスを考えた場合、いつかは値上がりするはずです。
ブラックマンデーもリーマンショックも、9.11もコロナショックも、時間をかければもとに戻りました。
第二次大戦前の世界恐慌だってもとに戻りました。
話が少し脱線しました。
経済成長が続けば、株だろうが土地だろうが値上がりします。
賃料だってもちろん上がります。
という事は、極論を言えば投資対象は株だろうがリートだろうがなんでもよいわけです。
(ここではボラティリティを無視しています)
だから、勧められたリートの投資信託が絶対にダメとは言いません。
株とリート、どちらの利回りが高くなるか?
未来のことはわかりません。
ただ、一つだけ確かなことがあります。
それは、購入手数料と信託報酬。
このコストは明確です。
自分で積み立て購入している外国株インデックスの購入手数料はゼロ、信託報酬は0.1%程度。
一方金融機関から勧められた米国リートは購入手数料3.3%、信託報酬1.683%。
これらのコストの差は約4.8%。
仮に両者が同じパフォーマンスを出した場合、米国リートの投資信託は常に4.8%分負けるのです。
4.8%ですよ!!
この差は大きい。
米国リートの投資信託が毎年4.8%分高いパフォーマンスを出し続けることができるのであれば、購入する意味もありますが・・・。
どうなんでしょうね?
しかも毎月分配型なので毎月の配当金に税金がかかります。
私は配当金で買い増し再投資に回していますが、税金の分だけお金が逃げてしまい複利効果が薄れます。
長期投資を行う場合、あまり良い条件ではないですね。
この金融機関ではほかにも何本かの投資信託を扱っており、外国株のインデックス連動の投資信託もあります。
それでもあえて勧めてきたのが外国リートの投信。
取り扱いのある投資信託の中で、最も手数料の高い投資信託でした。
まぁ、手数料が高くないと金融機関としても儲からないのはわかります。
「お付き合いなら売り上げに貢献しろよ」というメッセージなのかもしれません。
でもね、投資スタンスとかのヒアリングを行ったなら、それに合わせたやつを勧めてほしいかな。
そんな文句の多い外国リートの投資信託ですが、おかげさまでこれまでの5年半で29%程の含み益となっています。
購入後しばらくは特別分配金を垂れ流すタコ足配当のダメファンドでしたが、この5年間の米国の好景気に助けられ、いつの間にか値上がりしていました。
たまたま時期が良かったという事。
5年なんてひと相場ですよね。
こんな高コストファンド、本来ならこの辺で利益確定と行きたいところです。